メガネ生産は、もの作りに真摯に取り組む福井県が1位!

~ダントツ1位の福井県に続くのは、東京都と大阪府の都市圏に~

平成27年10月29日
NTTタウンページ株式会社

 NTTタウンページ株式会社(代表取締役社長:岡田 昭彦、本社:東京都港区虎ノ門3-8-8)は、タウンページデータベース(職業別電話帳データ)を活用してさまざまなマーケティング情報を提供しており、自社が運営する商品紹介サイトtpdb.jpでは、毎月独自の都道府県ランキングを発表しています。

メガネ

 最近は目が悪い人以外も持つようになったメガネ。 生活に密着したアイテムとなったため、10月1日がメガネの日に制定されました。月と日を数字で表すと1001となり、漢数字では「一〇〇一」でメガネに似ていることから、この日が選ばれました。そのメガネには、世界三大生産地があります。デザインやブランドのイタリア、低コストで大量生産の中国に並んで、技術の日本がランクイン。その日本のメガネ生産の9割以上が福井県鯖江市に集中しています。鯖江市は、1980年代に世界初のチタン製メガネフレーム製造技術を確立したことで知られていますが、実は視力補正用高屈折偏光レンズにおいても世界シェアナンバーワン。接合や研磨の分野でも、世界トップクラスの技術を多数所有しています。
 今月は、フレーム、レンズともに世界に誇るメガネ用品製造卸のランキングです。


【メガネが知的に見える理由】

 メガネをかけていると「ちょっと知的な印象」と受け取られることが多いようですが、実はそれには歴史的な背景があります。それは、13世紀後半に誕生したメガネが、1448年のグーテンベルグの印刷術発明をきっかけに普及した過程にうかがえます。印刷物などの活字文化の広がりはメガネを必要とする人を増やし、その結果メガネ職人も増えてメガネを手にする人も増加します。それでも、透明度の高いガラスは庶民には高根の花で、持てる人は限られていました。文字を読めることと、高価なメガネを持てるのは裕福さの証でもあったことから、「メガネ=知的」という認識が培われたようです。

 日本にメガネを紹介したのは、フランシスコ・ザビエル。その後、同じ宣教師のフランシスコ・ガブラルが近視用メガネをかけて織田信長に会いに行った所、それを見た人々は「バテレンには目が四つある」と大層驚き、城下だけでなく遠隔地からもその姿を一目見ようと大勢の人が押し寄せたという記録が残っています。新しいもの、珍しいものへの好奇心は、信長だけでなく城下の人たちにも及んでいたのですね。
 日本で本格的にメガネが作られるようになったのは明治時代。政府の勅命を受けた技術者の朝倉松五郎がヨーロッパで機械式レンズ製造技術を学び、福井県でメガネ製造を開始しました。

 現在のメガネ市場の成長をけん引しているのが、ファッションアイウェアとしての役割です。海外のメーカーに大量発注して製造コストを抑えることで低価格が実現し、ファッションに合わせてメガネをかけ替えることが可能に。視力矯正という不便を解決する手段ではなく、オシャレのひとつとして楽しむという新たな層が生まれました。実際、2015年3月のマイボイスコムによるネット調査では、8割以上の人がメガネを保有しており、全体の半数以上が2本以上所有しているという結果に。
 今や知性だけでなく、かわいらしさや親しみやすさも演出できるものになってきています<図1>。

<図1>「眼鏡の所有個数」(2015年)

<図1>「眼鏡の所有個数」(2015年)

【郷土愛が産業の発展に】

 メガネ用品製造卸の登録件数は、この10年で1,624件から978件に減少<図2>。

<図2>「めがね用品製造卸の登録件数」(2015年)

<図2>「めがね用品製造卸の登録件数」(2015年)

 人口10万人当たりの登録件数1位は福井県で79.75件。2位は東京都で0.81件、3位は大阪府で0.67件。2位以下は比較にならないほど福井県が抜きん出ています<図3>。

<図3>人口約10万人当たりの「めがね用品製造卸」登録件数による都道府県ランキング(2015年)

<図3>人口約10万人当たりの「めがね用品製造卸」登録件数による都道府県ランキング(2015年)

 福井県がメガネの一大産業地となったのは、現在の福井市の豪農増永家に生まれ、村会議員も勤めた増永五左衛門の功績です。五左衛門は村の発展のために、冬でも収入が得られる方法としてメガネ作りに目を付け、1905年(明治38年)に製造を開始。当時から大都市だった東京や大阪のメガネ職人を招き入れました。日本の近代化に伴い、新聞や書籍などの印刷文化が広がり、メガネ需要が高まっていた背景もあり、1935年(昭和10年)には全国一のメガネ産地へと成長。現在も福井県の経済を支える産業の一つとなっています。

眼鏡橋

 福井県鯖江市には、メガネの聖地として街のあちこちにメガネをモチーフにしたデザインが多数あります。
 お土産もマンホールも橋の欄干もメガネ。鯖江に行ったらメガネのモチーフを探すのも楽しみになりそうですね。
 ちなみに、2位の東京都には徳川家康の愛用したメガネをかたどった「めがね之碑」が、3位の大阪府には「眼鏡レンズ発祥の地」の碑があります。

【さらなる需要を開拓するメガネの未来】

 紫外線のカット、傷がつきにくい加工のレンズ、フレームやレンズの軽量化、フィット性アップなど、メガネの機能はますます高まる傾向に。さらに、目が疲れないPC用や花粉対策など、今までメガネを必要としていなかった分野での需要も掘り起こされて使う人が増えています。

 そうした中で鯖江市では、新しいもの作りにもまい進しており、日本だけでなく世界に向けて市場開拓を行なっています。目標は、日本の様式美に対して理解が深いヨーロッパ市場。「福井“新”匠の技ブランドによる欧州シニア市場販路拡大事業」に参加している企業7社は、手帳や本に挟めるほど薄いのにかけ心地が良く、デザイン製にも優れている超薄型シニアグラスを開発して販路拡大を狙っています。このメガネは、世界に通用するブランド力の確立をめざす「JAPANブランド育成支援事業」にも採択されています。

 将来のメガネの可能性のひとつに、ウェアラブル端末があります。ウェアラブル端末はメガネ型と腕時計型が知られていますが、メガネ型は将来的に本命と言われており、高齢者の見守りや健康管理、道案内など様々なサービスが想定されています。ファッションや機能を越えて、メガネは今後もさらに進化し続けそうですね。

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H27広表第426号
審査15-1635-1