~麺文化が盛んなのは、香川県、群馬県、山形県~
平成28年3月28日
NTTタウンページ株式会社
NTTタウンページ株式会社(代表取締役社長:岡田 昭彦、本社:東京都港区虎ノ門3-8-8)は、タウンページデータベース(職業別電話帳データ)を活用してさまざまなマーケティング情報を提供しており、自社が運営する商品紹介サイト(http://tpdb.jp/)では、毎月独自の都道府県ランキングを発表しています。
日本人が大好きなうどん・そば。それ故全国各地に、うどんやそばの名物料理が数多くあります。ひとくちにうどん・そば店といっても、1日限定何食というようなこだわりのそば店から、農家の納屋の様な場所で名人おばあちゃんが打つうどん店、うどんもそばも丼物も好みのものが食べられる普通のおそば店まで、お店のタイプはさまざま。ラーメンやパスタも大好きな日本人ですが、やはり、おだしのきいたつゆと一緒にズズっと吸い込むうどんやそばは格別なものです。
今月は、古くから愛され続けている日本の麺文化の象徴!うどん店・そば店に関するランキングです。
【麺類好きが多い県は?】
最近、駅のホーム内の立ち食いそば店が減っているとか。駅前やエキナカも同じ状況らしく、電車がくる前に手軽に素早く食べるのをちょっとした楽しみにしていた人にとっては、何とも淋しい話。外食の幅の広がりや、コンビニエンスストアなどの躍進が影響しているのかもしれませんね。
実際、職業分類「うどん・そば店」の登録件数は、この10年で32,511店から24,646件と減少しています。
<図1>職業分類「うどん・そば店」の登録件数推移(2006年~2015年)
人口約10万人当たりの登録件数でみると、1位は香川県(56.73件)、2位は群馬県(41.19件)、3位は山形県(40.23件)。4位に長野県、5位に山梨県と、どこも名物麺料理があるところが続いています。
<図2>職業分類「うどん・そば店」の人口約10万人当たりの登録件数による偏差値の都道府県ランキング(2015年)
総務省の全国家計調査(2012年~2014年平均)では、香川県高松市の「生うどん・そば」及び「乾うどん・そば」の年間消費金額は12485円と全国1位、その金額は全国平均6066円の約2倍と、香川県のうどん好きはダントツ。ちなみに山形県山形市2位、群馬県前橋市3位となっています。
1位の香川県は、なんといってもうどん店。名物のさぬきうどんは、日本はおろか海外にまで広がっているほどの人気に。かけうどんをはじめ、ブームの火付け役となった釜玉うどん、ぶっかけうどん、醤油うどんなど、メニューもいろいろあります。もっともさすがうどん県、そば店の店舗数は極端に少ないようです。
2位の群馬県は郷土料理のおっきりこみをはじめ、水沢うどん、桐生うどんなど名物うどんが目白押し。そんなうどんの名産地でありながら、赤城山麓にはそば街道もあります。そばの花が満開になる9月には、ドライブがてらそばを楽しみに訪れる人も多いとか。
3位の山形県はラーメンでも日本一を記録している県。米どころでありつつも、麺類全体が好きなのが分かりますね。
【うどんVSそば どちらが愛されている?】
一般に、西はうどん、東はそばを好むと言われていますが、実際はどうなのでしょう。ニュースサイト「しらべぇ」が2015年2月に行なった調査によると、そばよりうどんが好きな人の割合は、62.7%と全国的にうどん派が多め。地域別にみると、確かに東側の東北・北海道はそば、西側はうどん好きの割合が多く、特に四国は8割以上がうどん派という結果に。
<図3>「地域別そばよりうどんが好きな人の割合」(2015年)
では、うどんとそば、それぞれどんな違いがあるのかを見てみます。まず、カロリーでみると、100g当たりでうどんが105 kcal、そばは114kcalなので、カロリーを抑えたいならうどん。栄養素は、ビタミンB1、B2、ルチンが豊富なので、栄養素でみればそば。健康面で見ると、消化のいいのがうどん、血糖値が上がりにくいのがそば。
月間利用者数5700万人以上、レシピ数227万品超の料理レシピサイト「クックパッド」で検索したところ、2016年1月末現在でうどんのレシピ数が約28000品、そばのレシピ数が約8700品と、うどんが3倍以上。家庭内での料理のしやすさでは、うどんに軍配が上がったと言えそうです。
また、「細く長く、家運が末永く続くように」の願いを込めた年越しそば、「おそばに来たので末永くおつきあいを」の意味を持つ引っ越しそばと、縁起ものとしては、そばに軍配が。
ちなみに、さぬきうどん振興協議会がうどんの普及を目的に、「年明けうどん」を提唱し、2009年の年明けからスタートしました。関西地区から始まった節分の「恵方巻き」のように、全国区になれるでしょうか。
【細く長く、過去から未来へ】
うどん・そばはどんな流れで庶民の食べ物になったのでしょうか。
うどんのルーツは奈良時代に、中国から伝来した唐果物(からくだもの)の一種で、「こんとん」という小麦で作られた餡入り団子のようなものと言われています。この「こんとん」が徐々に「うどん」になりました。また、香川県には、弘法大使空海が唐からうどんに適した小麦と製麺技法を伝えたという伝説も。香川県は空海の生誕地ということもあり、香川県ではこの説が有力なようです。うどんは室町時代に現在の形になり、江戸時代にかけて庶民に広がっていきました。
一方のそばの歴史は、高知県の遺跡からそばの花粉が見つかり、9300年前の縄文時代にはそばの栽培が行なわれていたようです。室町時代にはそばがき、おやき、すいとんなどで食されていました。ただ、小麦に比べて粘りが少ないことから、麺状のそば切りが始まったのは戦国時代からと言われています。そばの歴史が大きく動くのは江戸時代で、屋台で食べるファストフードとして大人気に。「時そば」など落語にも登場する、庶民におなじみの食べ物になりました。
どちらの麺も、かつおだしと醤油で味付けした麺つゆで食べるようになったのは、全国に醤油が出回った元禄(1688年?1704年)以降のこと。江戸の中期から後期にかけて、庶民にも天ぷらや玉子とじ、鴨南蛮など、ちょっとぜいたくな味を楽しめるようになりました。
うどん・そばをはじめ和食の美味しさを支えているだしは、日本独自で発展したかつお節をはじめ、昆布や煮干しからとれたもの。かつお節のイノシン酸、昆布のグルタミン酸などさまざまな旨味成分が独特の味を醸し出します。
参照サイト⇒日本鰹節協会(http://www.katsuobushi.or.jp/02/02-03.html)
かつお節の種類も多く、何度もカビ付けをしたかつおの枯れ節、カビ付けをしないかつおの裸節(荒節)、宗田がつおを使った宗田節など魚種もさまざまで、それぞれの店が独自のブレンドで店オリジナルの味を作っています。関西地区のうどん・そば店では昆布を主体に煮干し、うるめ、かつおの裸節が、関東地方は、かつおの枯れ節を主体に宗田節、さば節、昆布が多く使われているというように、だしも醤油(西は淡口、東は濃口)と同じように東西では異なるので、西と東のうどん・そばの味は全く異なる味わいになるのです。
最近は、全国各地の小学校で、「利きだし会」や「だし教室」を開いている所が増えてきたようです。きちんとだしを取った本物の味を子ども達に伝えて行くのは、日本の大人の大切な役割だと改めて感じます。
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H27広表第867号
審査15-2974-1