生花店の数が10年以上変わらず1位なのは、鹿児島県!

~鹿児島県に続くのは石川県と大分県~

平成28年5月31日
NTTタウンページ株式会社

 NTTタウンページ株式会社(代表取締役社長:岡田 昭彦、本社:東京都港区虎ノ門3-8-8)は、タウンページデータベース(職業別電話帳データ)を活用してさまざまなマーケティング情報を提供しており、自社が運営するタウンページデータベース商品紹介サイト(http://tpdb.jp)では、毎月独自の都道府県ランキングを発表しています。

バラ

 花を愛でることは、世界の多くの国でみられる行為。美しく咲いた花を身近な場所でも楽しみたくなるのは、万人の心情でしょう。特に、四季がはっきりしている日本では、季節ごとに美しい花が見られます。豊かな自然に磨かれた日本人の感性は、生け花やアレンジメントフラワーとして、いかに美しく見せるかに工夫を凝らしてきました。花嫁の美しさを際立たせるブーケ、大切な人に感謝を込めた花束、お客さまをお迎えするしつらい、ご先祖様を祭るのにふさわしい飾りとしてなど、さまざまなシーンで気持ちを花で表します。
 今月は、選ぶのも飾るのも楽しい花が買える生花店のランキングです。


【花を購入する機会は増えている!?】

 「花より団子」の言葉通り、必需品とは言えない花。贅沢品ととらえられることもあり、花を買う習慣が無い人も多いとか。情報流通支援サービスの株式会社オークネットが2015年12月24日~2016年1月6日に行なった「花の購入について」というアンケートでは、花の購入状況として多かったのが「自宅用に購入する機会が多かった」で41.7%、次が「購入する機会はなかった」で30.6%、「プレゼント用に購入する機会が多かった」が27.7%でした。花を購入した人で、自宅用に購入と回答した人は、前年比で16ポイントも伸びています。(参考サイト ⇒オークネット総合研究所「花の購入について」)
 また、購入目的にも変化が。この3年間では「空間を華やかにしたり季節感を演出するため」と「仏壇などにお供えするため」が上位となってきていますが、仏壇の保有率が減少傾向にあるせいかお供え目的が減少しています。逆に空間の演出目的が増加しているので、花を自分で楽しむ人をどう増やすかが生花店にとっての注目ポイントになりそうです。

<図1>「自宅に花を購入する理由(複数回答)」

<図1>「自宅に花を購入する理由(複数回答)」

 ひと昔前の女性には、花嫁修業のひとつに生け花があり、花とふれあう機会が多かったように思われます。現在はそうした意識は少なくなったこともあり、花を飾る必要性や習慣がはぐくまれにくくなっているようですね。住宅環境が変わり、床の間が無くなったことで「生ける場所が無い」という問題も生じています。また、「お金をかけたくない」「手入れが面倒」という人も。逆に、「洗面所に1輪飾ると鏡を見る前に花が目に入り、穏やかな気持ちになって鏡に映る自分の表情が良くなる」とか、「花がしおれてきたら花びらだけを水に浮かべる」といった、自分らしい楽しみ方をする人もいるようです。
 桜を愛でるのと同じように、はかないからこそ花は美しいというとらえ方で気軽に飾る習慣がつけば、花の楽しみ方ももっと広がるのではないでしょうか。

【花好きが多いのは?】

 生花店の登録件数は、この10年で28,264件から21,309件へと減少しています。スーパーでも小振りの花束や仏花を扱っているし、インターネットで注文する人も増えているのが影響しているのかもしれませんね。

<図2>職業分類「生花店」の登録件数推移(2006年~2015年)

<図2>職業分類「生花店」の登録件数推移(2006年~2015年)

 人口約10万人当たりの登録件数でみると、1位は鹿児島県(28.06件)、2位は石川県(26.64件)、3位は大分県(23.83件)。続いて山梨県、長崎県、宮城県、北海道とかなり分散しており、地域的な偏りは見られません。

<図3>職業分類「生花店」の人口約10万人当たりの登録件数による偏差値の都道府県ランキング(2015年)

<図3>職業分類「生花店」の人口約10万人当たりの登録件数による偏差値の都道府県ランキング(2015年)

 1位の鹿児島県は、日本一墓参りを欠かさない県と言われています。墓地にいくと、盆や彼岸でもないのに、いつも花が手向けられていることに霊園でも驚いているとか。仏壇も同様で、枯れたら新しいものに生け直すのが先祖代々のしきたりのよう。ご先祖様を大事にする県民性が、花に親しむ機会を増やしていると言えそうです。
 2位の石川県は、加賀野菜など農産物のブランド化に成功しているところ。花でも「エアリーフローラ」という七色のフリージアを開発しており、2013年には年間を通じて優れた品種に授与される日本フラワー・オブ・ザ・イヤー特別賞を受賞しています。九谷焼という器の文化もあり、美意識も高いことから、自然と花を生けようという気になるのではないでしょうか。
 3位の大分県は、キク、バラ、ホオズキ等の全国有数の産地となっています。冬期温暖な沿岸部や高冷地に準ずる冷涼な内陸性気候の気象条件をいかした栽培により産地を拡大したためで、身近に花がある環境が「家庭にも花を」という気持ちにさせるのかもしれません。
 1位から3位までの理由がこれだけ異なると、生花店の数の多さに地域的な偏りがないのも納得できますね。

【生花をめぐる今後の傾向は?】

 現在の花き市場では輸入花が増えており、母の日のカーネーションは既に半数が輸入品だとか。農林水産省によると、2012年に日本国内で販売されたカーネーションの52%が外国産になっています。
(参考サイト ⇒農林水産省「花きの現状について」)
 キクも、急速に輸入が増加している品目。 特に、マレーシアからのスプレイギクが多く、さらにベトナムのスプレイギク、中国の中大輪キクの輸入も増えています。年に2回の彼岸と盆、正月がキク類の出荷ピークで、伝統的行事や祭礼に海外の力が必要な時代になっていることを痛感します。
 輸入生花が増えると、「花の名前が覚えられない」という悩みに拍車がかかる可能性も高まります。覚えられない理由のひとつに名前のカタカナ表示があげられますが、実は、輸入花はすべてを漢字表記にはできないため、植物学会で学術用語としてカタカナ表記になったという経緯が。例えば、アレンジや生け花に使われるストレリチアは和名が極楽鳥花(ゴクラクチョウカ)ですが、漢字で書かれている方が花のイメージがわきやすく、しかも忘れにくいですよね。輸入花が増える今後、少し工夫してもらえると花への親しみも増すのではないでしょうか。
 花は、飾る楽しさに加えて運気や癒しを与えてくれるのも魅力です。風水では、金運や恋愛運、健康運をあげるアイテムとして、どんな色の花をどの場所に飾るかをアドバイス。生気のあるものを飾って周辺をキレイに保つことを説いてくれるので、家全体を良い環境にしてくれます。また、花が心に及ぼす影響やパワーを学んで、疲れを癒したり自信を与えてくれたりといった花を使ってセルフコントロールする花のセラピーも人気です。
 最近の花屋の店頭には小さめのブーケが置かれていることが多く、花の背丈やバランスを整える手間が無く、価格も手頃と、売る側の「気軽に飾れる」環境は整ってきた印象です。花は、無くても生活に支障がないものだけに、逆にあると豊かさを感じられるもののひとつ。毎日を楽しむためにも、花のある生活を大切にしたいですね。

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生花店の数が10年以上変わらず1位なのは、鹿児島県!

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H28広表第80号
審査16-0325-1