〜人口10万人当たりの業種分類「記章」登録件数トップ3は、岩手県、東京都、秋田県!〜
平成29年6月21日
NTTタウンページ株式会社
NTTタウンページ株式会社(代表取締役社長:岡田 昭彦、本社:東京都港区虎ノ門3-8-8)は、タウンページデータベース(職業別電話帳データ)を活用してさまざまなマーケティング情報を提供しており、自社が運営するタウンページデータベース商品紹介サイト(http://tpdb.jp)では、毎月独自の都道府県ランキングを発表しています。
白熱するスポーツ観戦には、「表彰式」という楽しみも付き物ですね。大相撲での力士に引けを取らない大きなトロフィーやオリンピックを始めとする競技のメダルの授与は、選手の努力の賜物。辛い練習に耐えてこそ手にできる、勝利の証です。
また、代議士、検察官、裁判官を始めとする士業バッチも「その名に恥じない行動を」という意味が込められています。メダルやトロフィー、バッジなどの記章は、名誉や誇り、責任感と深い繋がりがあるようです。
今月は、そんな手にすると気持ちも引き締まる「記章製造・卸・専門店」等に関するランキングです。
【トロフィー、カップ、メダルの違い】
世界的なニュースになる授与式といえば、学術界ではノーベル賞、エンターテイメントならアカデミー賞。受賞者も気になりますが、メダルや像をどのように受け取るか、何をコメントするかなどが話題になります。また、サッカーのワールドカップで優勝すると手にするのはトロフィー、ゴルフや大相撲の優勝ならカップのイメージがありますね。
では、トロフィー、カップ、メダルにはどのような違いがあるのでしょう。
千葉大学教育学部 澤田典子教授(古代ギリシア史)によると、トロフィーはギリシャ語の「Tropaion(トロパイオン)」が語源とされ、意味は戦勝記念碑。戦争で敵から奪い取った鎧や兜、盾を飾ったことが始まりです。一方、カップは敵の頭蓋骨を杯にして勝利を祝ったことが由来のようです。
また、メダルは貴金属の産出量が少なく、貴重で価値が高いとされていることから、金、銀、銅の順位をつけて、優れた人に贈る記念品になりました。現代では、どれも優れた成績を収めた人への表彰品として、その用途に違いはないようです。
ただ、トロフィーとカップは、デザインで捉えるとそれぞれの個性が見えてきます。トロフィーは表彰する競技や分野にまつわるもの、例えばテニスならラケットやボールをモチーフにできますし、カップなら取っ手や持ち手があるのでペナントリボンを結びつけ、歴代優勝者の名前を書き残していく、という使い方ができます。
そして、トロフィーやカップは勝利チームに一つ、メダルはチームの構成員全員に授与されるといった違いもありますね。
【武具から平和の象徴へ?東京に記章が多い訳】
NTTタウンページの業種分類「記章」の登録件数は、この10年で1,399件から978件と減少傾向です。
<図1>業種分類「記章」の登録件数推移(2008年~2017年)
人口約10万人当たりの登録件数でみると、1位は岩手県(1.64件)、2位は東京都 (1.58件)、3位は秋田県(1.37件)になりました。
<図2>業種分類「記章」の登録件数による都道府県ランキング(2017年)
東京都は、2016年まで10年以上もトップを担ってきました。人口が多いため10万人当たりに慣らすと2017年度は2位になりましたが、登録件数自体はダントツで1位。
その理由が、江戸幕府の崩壊にあります。明治維新を迎え、幕府専属の鋳物師や彫刻師たちは、刀や鎧、兜など武具製造の需要がなくなったため失業、その後の努力と江戸職人のメッキ技術や打ち物技術が合流し、鉛、アンチモン、錫の合金であるアンチモニーを原料とした工芸品を開発します。
・数少ない熟練職人の「技」が生かされている、日本の伝統的工芸品の一つ。
写真提供:伝統的工芸品産業振興協会
繊細な模様や彫刻が施されたアンチモニー製品は欧米で高く評価され、外貨獲得に貢献。その結果、インテリア小物やテーブルウェア、トロフィーやカップなどの金属工芸品である記章製造・卸・専門店が東京の地場産業として発展しました。
※参考文献:「アンチモニー産業の歴史と生産技術」-外貨獲得に貢献した東京の地場産業-日本工業大学 松野 建一、丹治 明
【都市鉱山のリサイクル金属から作るオリンピックメダル】
1位の岩手県、3位の秋田県の中で、小型家電リサイクル法で定める「認定事業者」が立地する岩手県一関市、秋田県大館市に青森県八戸市が加わり、使用済小型家電から回収された金属を東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で活用することについて、2015年6月には同競技大会組織委員会や関係省庁に共同で提案していました。
こうした活動を受け、東京2020組織委員会、NTTドコモ、日本環境衛生センター、環境省、東京都の5社共催で2017年4月1日から「都市鉱山から作る!みんなのメダルプロジェクト」が動き出しました。東京2020大会の約5000個の金・銀・銅メダルを全国各地から集めた携帯電話やパソコン、デジカメなどの小型家電のリサイクル金属で作るという国民参画型プロジェクトです。
メダル製作を目的に国民に参画を呼び掛け、小型家電等を回収し集まったものから抽出した金属でメダルの製作を行うのは、オリンピック・パラリンピック史上初めてのもので、日本のリサイクル技術の高さや環境への優しさを世界に発信する大きなチャンスとして捉えられています。
【2020年に向けて、日本経済を牽引するスポーツ産業】
現在日本では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを契機に、国や自治体、企業、競技関連団体などさまざまな主体がスポーツの重要性に着目しています。文部科学省における競技スポーツ・学校体育・生涯スポーツ関係予算の推移をみても近年の増加傾向は著しく、日本経済を牽引する産業として捉えられていることがわかります。
<図3>競技スポーツ・学校体育・生涯スポーツ関係予算の推移
スポーツへの注目が集まる中、今や世界の主要大会となり、国民的にも注目の集まる東京マラソンでは、入賞者だけでなく、完走者にも記念メダルが配られます。「入賞じゃなくてもメダルがもらえた」と好評で、自分のメダルを手にしたことをきっかけに、「みんなのメダルプロジェクト」への参加意識が高まった人が多いそうです。
世界でも日本でも、戦いの道具から平和の象徴へと変化した記章。オリンピアンのように特別じゃなくても、頑張った普通の人を褒めてくれるメダルは、私たちの暮らしに目標や励み、誇りを与えてくれる貴重な存在なのですね。
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H29広表第208号